自筆証書遺言はここまで便利に!法改正後の最新ルールと正しい作成方法を行政書士が解説
自筆証書遺言はここまで便利に!
法改正後の最新ルールと正しい作成方法を行政書士が解説
「遺言書は気になるけれど、自分で作るのは難しそう…」
そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は、自筆証書遺言は近年の法改正によって、以前よりもずっと利用しやすい制度へと変わりました。
以前は、財産目録まですべて手書きしなければならず、財産が多い方ほど作成が大変でした。また、自宅で保管するしかなかったため、「紛失してしまうのでは」「家族に見つからないだろうか」と不安を感じる方も少なくありませんでした。
しかし現在では、
財産目録をパソコンで作成できる
法務局で遺言書を安全に保管できる
相続開始後の「検認」が不要になる
など、大きく制度が改善されています。
今回は、最新のルールに基づいた自筆証書遺言の作成方法を、4つのステップでわかりやすくご紹介します。
ステップ1 まずは財産を整理しましょう
遺言書を書く前に、まずは現在所有している財産を確認します。
例えば、
土地・建物
預貯金
株式や投資信託
自動車
貴金属
借入金などの負債
などを書き出してみましょう。
財産目録はパソコンで作成できます
以前は財産目録もすべて手書きする必要がありました。
しかし現在では、
パソコンで作成した一覧
Excelでまとめた表
通帳のコピー
登記事項証明書
固定資産評価証明書
などを添付することが認められています。
そのため、財産が多い方でも以前より負担が大きく軽減されました。
なお、不動産は住所ではなく、登記事項証明書に記載されている所在地・地番・家屋番号を正確に記載することが大切です。
ステップ2 遺言書の本文は必ず自筆で書きます
ここは最も重要なポイントです。
自筆証書遺言では、
遺言書本文
作成日
氏名
は、必ず本人が自筆で書かなければなりません。
パソコンで作成したり、ご家族に代筆してもらった場合は、自筆証書遺言としては無効になります。
日付は具体的に記載しましょう
日付は、
「令和8年7月7日」
「2026年7月7日」
のように、年月日まで明確に記載します。
「令和8年7月吉日」などの曖昧な書き方では無効になる可能性がありますので注意しましょう。
また、書き間違えた場合の訂正方法も法律で決められています。
修正液や二重線だけで修正すると無効となることもあるため、訂正方法が分からない場合は、書き直した方が安心です。
ステップ3 最後に署名と押印を忘れずに
本文を書き終えたら、最後に氏名を自筆で署名し、押印します。
押印は認印でも法律上は有効ですが、後日の本人確認や紛争防止という点では、実印を使用しておくと安心です。
財産目録にも署名・押印が必要です
意外と見落とされるのがこのポイントです。
パソコンで作成した財産目録や通帳のコピーなどを添付する場合は、そのすべてのページに署名・押印が必要です。
両面印刷の場合は、記載のある各面に署名・押印を行います。
ここを忘れると、財産目録としての効力が認められないおそれがあります。
ステップ4 法務局の保管制度を利用すると安心です
完成した遺言書は、自宅で保管することもできます。
ただし、現在は法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用する方が安心です。
保管制度を利用するメリット
この制度を利用すると、
紛失や改ざんの心配がない
相続人が遺言書を見つけられないという心配が少ない
家庭裁判所での検認が不要になる
相続手続きをスムーズに進められる
など、多くのメリットがあります。
なお、法務局では遺言書の形式面(自筆・署名・押印・様式など)は確認しますが、内容が法律上有効かどうかまで審査するわけではありません。
そのため、遺留分への配慮や相続方法などについては、専門家へ相談することをおすすめします。
保管制度を利用する場合は、A4用紙や余白などの決まりがありますので、最新の手続きは法務省の案内をご確認ください。
自筆証書遺言は「書けば安心」ではありません
自筆証書遺言は、費用を抑えて自分で作成できる便利な制度です。
しかし、法律で定められた方式を守らなければ、せっかく作成した遺言書が無効になってしまう可能性もあります。
また、形式は正しくても、内容によっては相続人同士のトラブルにつながるケースも少なくありません。
だからこそ、「自分で作成できる部分」と「専門家へ相談した方がよい部分」を上手に使い分けることが大切です。
まとめ
法改正によって、自筆証書遺言は以前よりもずっと利用しやすくなりました。
財産目録はパソコンで作成できる
法務局で安全に保管できる
検認が不要になる
など、多くのメリットがあります。
一方で、本文・日付・氏名は必ず自筆で記載することや、財産目録への署名・押印など、守らなければならないルールもあります。
「自分の場合はどのような遺言書を作ればよいのだろう?」
「法務局へ預ける前に内容を確認してほしい」
そのような場合は、お気軽に当事務所までご相談ください。
ご本人の意思を確実にご家族へつなぐため、一人ひとりの状況に合わせた遺言書作成をサポートいたします。
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